
いつも自身の本やDMのデザインなどをしている中島の展示のお知らせです。
title : Yoshihide Nakajima Exhibition「Sick Node #000」
date : 2009/07/4 - 2009/07/26 (定休日 / 月、火 )
place : PANTALOON (Osaka)
詳細はコチラよりご覧下さい。
会期は異なりますが、新潟2会場での開催となります。
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■title :華雪展 刺心(ししん)
place : 二宮家第1号米蔵
address : 新潟県北蒲原郡聖籠町蓮野1087
date : 2009 / 5 / 23(土)~6 / 21(日)(会期中無休)
open : 10 : 00-16 : 00
概要
「刺心」は、心を強く打つことの意。作家が近年関心を寄せている「島」という場所性。今回は、新潟市の日本海と信濃川に挟まれた「新潟島」と呼ばれる一帯をテーマに制作した新作の展示となります。
・主催|新潟絵屋
・協力|二宮家、二宮家米蔵の会、伊藤裕一(照明)
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■title :華雪展 刺心の跡(ししんのあと)
place : 新潟絵屋
address : 新潟市中央区上大川前通10番町1864
date : 2009 / 6 / 2(火)~6 / 10(水)(会期中無休)
open : 11 : 00~18 : 00(最終日17 : 00まで)
概要
新潟島を訪れ、歩き、書き留めた記録と「刺心」の作品が出来上がるまでに制作
した習作の展示となります。
・主催|新潟絵屋
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パフォーマンス、ワークショップ等も開催しております。
内容、予約、会場へのアクセス、問い合わせ先等については、以下からご覧ください。
昨日はいつもは走らない場所に走って行く。迷うな、と思っていたら、案の定迷う。方向がわからないまま多分こっちだと走っていると、目的地に着いた。そこから今度は家に向かって帰る時、調べた道を探しながら走っていると、なぜかさらに迷った。この出で立ちではどうしても近寄りたくない駅に、走れば走るほど、どんどん近づくことに焦りながら、やっとここだという道を見つけて、急いで曲がる。途中から小雨が降って来る。
今週はずっと新潟関連の本と詩集を読んでいた。昨日夕方に読んでいた本の中で、今まで読んでいた本がかすかに繋がってきた、と思える箇所があって嬉しい。展示の前は、こうやって手当り次第に本を読んで、何か繋がりが見えて来ると、展示の全体像が浮かび上がって来ることが多い。その後、走りながら、あともう少しで、全体の何かが掴めるなと漠然と思う。
夜中にカレーを作る。
確定申告の相談員の人に会いに、連日出かける。担当という仕組みはないと釘を刺されながら、なぜか同じ人が見てくれるようになり(私の理解があまりに拙いせいだということはすぐにわかった)、途中からその人に会うのが楽しみになって来る。
会場に行くと、たいてい1時間は待つ。その間、ずっと新潟市の資料を読み続ける。読んでいると歴史資料館で見たことを思い出したりする。大事なことも思い出した。すっかり忘れていたのだった。新潟での初夏の展示に向けて、会場の模型はすっかり出来上がっている。テーマも決まっている。それをどうやってまとめるか、実際に見たこと、歴史、そして文字と3方向から考えるというはじめてのことをやってみている。
頭の中は新潟にいるまま、減価償却費について説明を受ける。
富士を見に行く。といっても、富士山ではなくて、かつてそこに行きたかった人々が、行ったとしたい気持ちで作った富士塚を見に行った。
川口駅で待ち合わせ、久しぶりの方々に再会して、電車に乗り込む。ひとつ乗り換えて、降りた駅は、初めて来る場所だった。そこから案内をしてくださるTさんに連なって、歩き始める。富士塚までの道は途中水路の脇を歩いた。江戸時代には運河として使われていたそうで、関が残されている。今はもうない沼の伝説が書かれた看板。水の神を鎮めるために作られたとある石塔も、もうなくなっていた。
もうすぐですよ、と言われて先を見ると、田畑と家が広がる中に木が茂った場所が見えた。近づいて行くと、急に視界の中に丘とも土の盛り上がりとも、そして山とも、なんとも言いがたい大きさのものが現れた。戸惑いながら、登り口のある鳥居をくぐって、石段を上る。石段は10段ほどだった。10段を上りきると、上る前に鳥居横の案内図で見た頂上の火口らしき窪みがあった、頂上はその窪みがほとんどを占めていて、その周囲に人が一人立つことができる程の場所がある。そこにも木が生えているので、実際窪みに入らずに頂上に立とうとすると、ずいぶん狭い場所にそっと立つ感じになった。しばらくそうしてから、遠くを見晴らしてみた。10段の石段だけで上った頂上は、実は10段分だけの高さではなく、はじめいた水路のあたりから土は既に盛られているのでその分を加えると、実際は随分高いところにいるのだった。そろそろ下りようかと、上って来た反対側の石段に足を掛けたとき、先にいたTさんが「あ、富士山!」と声を上げ、その方角を向くと真っ白に雪を冠った富士山が見えた。こうしてみんなここから富士山を見たんだろうと話しながら、石段を下りると、上った石段より段数が多い。上り口よりも下の場所、塚のふもとに下りて来ると、小さな穴が開いていた。胎内巡りの穴だという。その穴に向かって緩やかに窪む土で出来たなめらかな壁面に、日射しの向きが変わるたび木々の影が濃くなったり淡くなったりして映る。もう一つの穴も見ようと、歩き始めると、それは意外にも向かい側ではなくて、直角に曲がったところに穿たれていた。さっきの穴よりも倍ぐらい大きな穴が開いている。木の板で塞がれている。来た時もここを通ったはずなのに気がつかなかったのだった。一緒にいたSさんに、登る前は小さい土の盛り上がりだなと思ったけれど、登って降りて来ると山に登ったような気分がするね、と話す。ふもとから見上げる富士はさっきよりもずっと大きくそこにあった。リュックサックを背負った男の人が一人、30分前の私たちと同じ道を伝って、富士に入って行くのが見えた。
昼間、痺れるような冷たい風とともにあられが降りしきっていた新潟市も夜になると雪が止んだ。夜道を足早に歩く。深々と冷え込む中、風だけは昼ほどではないにしろずっと吹き続けていた。夜中、東京に帰る途中立ち寄ったサービスエリアは歩く足が埋もれるほどまだ雪が積もっていた。
今回の新潟は、長く居なかった。けれど、去年の秋よりずっと収穫があった気がする。一度向かう向きを全く失ってしまった場所で、その中にやっぱり向かうところがあったと気がついた今回だった。
街を時間が許すだけ歩いた。寒さでしびれた両手にいっぱいの蕁麻疹が出て、持ち歩いていたサンドイッチは胃に届くのがわかるくらい冷えきっていた。それでも歩く分だけ言葉が見つかった。
東京に戻って来る。歩きなれた家までの道を歩いていると、風がシャッターや家々の植木を揺らしている。時折ビョウビョウという新潟で聞き続けていた風の音がする。
7月26日(日)15:30〜17:30
※篆刻と書、同時開催になります