
明日から那須黒磯での展示の搬入がはじまる。
縦24m×幅9m、天高3mの空間をどうしたらいいのか考えて来た。
いろいろなものを持ち込もうとしていたけれど、おとといになって、
作品だけを見せるかたちにしようと腹をくくった。
いつも添える文章も、今回は書かないと思った。
字を書いているのに、字だけを見せることが怖かったのだと、先日のホンマさんとの対談の会話を思い出す中で気がついた。
今日、自分をよく見せるための嘘は見苦しい、自分に根のある言葉を書きなさいと言われる。
それで鬼と書いた。
今日の午後、飯田橋でボートに乗った。内堀の壁の傍には、澱みがあって、緑色の膜に色とりどりのちぎれたゴミが浮いていた。鬼と書きながら、その澱みがふと頭をよぎった。澱みをくぐった白いオールの先は緑色に染まっていた。
澱みから離れて、岸辺に戻って振り返ると、澱みの辺りは白く光っていた。