
旗をつくる

2008.12.20.

memorandum
今日から京都へ移動する。午前中、短い時間で打ち合わせをして、午後の新幹線で京都へ向かう。家で作ってきたサンドイッチを食べる。うまく出来ていると自分で思いながら、三つある手前から食べて行く。中が見えないまま齧ると、一つ目は卵だった。これが最後がよかったのに、と思いながら、二つ目を齧ると自家製で作ってみたツナが挟まっていた。三つ目は消去法で鴨ロース(これも自分で作ってみた)だった。これが最初だったらもっとおいしかったと思う。Nは私のそうやってぐずぐず目の前の食べ物を食べる順番を考えながら食べる癖があまり好きではない。お腹がふくれて、少し眠る。隣に座っている女性は名古屋を過ぎたあたりから地図を取り出して熱心に見つめ始める。横目で見ると、京都の地図だった。以前住んでいた辺りに蛍光マーカーでたくさん印がしてある。
京都に着いて、最近持ち運び始めたパソコンでいくつか用事をしてから、もうひとつ打ち合わせに行く。夜のワークショップの時間まで少し間があったのでデパートと本屋へ行く。デパートで靴を買って、本屋で檀一雄と内田百聞と川上弘美の文庫本を買う。
ワークショップを終えて、大阪へ移動する。途中少しお酒を飲む。一人でホテルに泊まる。部屋に入ってから自販機でウイスキーの水割りと水を買って、薄めながら飲む。
明日は夜、名古屋へ移動する。
今日、ひとりで移動し続けながら、この間、紙の旗をつくったことを思い出していた。以前、Nと喧嘩をした時に、全く謝らない私に業を煮やしたNは白旗を作っておいて、それを振ればいいと言ったのだった。そして先週、また喧嘩をした時に、いつものように全く謝らない私をNは睨みながらも、突然さっと立ち上がり隣の部屋から白い紙を持ってきて、これを振ってみろと突きつけた。あまりに突然だったので、思わずそのただの白い紙を受け取って、小さく振ってみた。もう少し振ってみろと言われ、言われるがままに振ってみると、訳のわからない腹立たしさがお腹の底に吸い込まれて行くような気がした。さらに振ってみると、笑いが止まらなくなって、仲直りした。そしてこれは口が裂けてもごめんなさいと言いたくない時に、とてもいい解決法だと実感して、白い紙ではなくて、白い布を棒に取り付けた旗をつくることを決めたのだった。窓を過ぎて行く景色を見やりながら、家に帰ったら一番に余り布で旗を作ろうと思った。そんなことを考えていると、今、名古屋でやっているNと私の「家」についての展示の最たる作品は、このまだ作られていない旗のような気もしてきて、少し複雑な気分にもなっていた。